倒産費用がある時に倒産手続きしないと大変です。
会社を長く経営していると、資金繰りが上手く回らなくなってくる時があります。しかし、経営者であれば間違いなく倒産は避けたいので、何とか踏ん張るように努力するでしょう。
実際に過去にも資金繰りに苦しんだ事があり、その都度乗り越えてきた経営者がほとんどと思います。それ故に「今回も大丈夫、何とかなる」と思い、最後の最後まで頑張り続けて「ダメだっ倒産しそう」となってしまうケースが発生してしまいます。
最後の最後、どこまで頑張るか?どのタイミングで「倒産を決断するか?」が本当に悩ましいところです。私も本当に本当に悩みました。
ただ、資金繰りをやるうえで「やってはいけない事、注意しなければいけない事」というのがいくつかあります。私も先に知っていれば、、、と、後になって相当後悔しました。それらを説明していきます。
資金繰り対策、まずは銀行への融資依頼から
資金繰りの確保策としては、銀行融資がまず第一になると思います。メインバンクへの相談、ダメならメインバンク以外への相談、それでもダメなら新規銀行への相談になると思います。
新規銀行はこちらから訪問しても、当然警戒されてしまいます。
「取引銀行に断られて来たのかな?」
新規の銀行から融資を受ける時は、通常は飛び込み、テレアポ等で営業されて話を聞き、スタンスとしては「必要ない、間に合っている」という印象を与えながら、銀行マンからの「お願いします」を引き出して「じゃあお付き合いという事で」的なスタンスで新規口座開設&融資という流れが経験上多かったです。
従って、資金繰りが苦しいタイミングで新規銀行へアプローチするのは難しいですが、例えば以前営業された際に断った銀行マンに対して「以前お断りしましたが、今週ちょっと時間に余裕がありますので、今週でしたらお会いできますよ」といった感じでアプローチするのが良いと思います。
ただし、新規銀行だと口座開設から融資審査まで結構時間がかかりますので、ある程度余裕を持ってコンタクトした方が良いと思います。メインバンクに断られ、メインバンク以外にも断られ、その後に始めても遅いでしょう。あてにならない新規銀行の融資を数週間かけているうちに、どんどん時間は過ぎていき、可能性の低い新規銀行からの融資だよりになってしまっては、断られた時点で「絶望」なタイミングになっている可能性も考えられます。
ですので、メインバンクに断られた時点で打診できる銀行には打診し始めた方が良いと思います。そもそも、メインバンク以外に相談した場合でも「メインバンクへは打診しましたか?ダメでしたか?」と聞かれる事も考えられ、この場合はメインバンク以外の銀行も警戒してしまいます。
私の場合、実際にそのように聞かれました。基本的に自分から融資を依頼した事がほとんどなく、定期的に訪問された時に相手から「融資そろそろどうです?」を引き出して融資を受ける事が多かったせいもあると思います。
倒産前にどこまで頑張るか
メインバンクもダメ、メインバンク以外もダメ、新規銀行も難しそう、でも来月末の資金繰りに目途が立たない。こうなると次は自己資金での補充になってくると思います。代表者からの会社への貸付金で資金繰りを一次的に回避する方法です。
会社の運転資金がなくても、自己の資産で現金数千万とか持っていればそれも可能でしょうが、もう過去の資金繰り対策で自己資金も投入していて、十分に残ってない状態になると、それも出来ません。
次に身内、親、兄弟、親戚。そして友人、取引先社長などの中から、貸してくれる宛がある人に相談する事になると思います。これもダメならカードローン、消費者金融、闇金となってきますが、言うまでもなく「闇金」は絶対NGです。「怪しい消費者金融」「あまり聞いたことがない消費者金融」もNGです。たまにFAXで来た経験がある方もいるかもしれませんが「貴社に〇〇〇万円の融資枠が取れました。〇日後に融資可能です」これもダメです。これこそ基本的に闇金です。
実際の順番的には・・・
メインバンク > メインバンク以外 > 新規銀行 >身内・友人・知人 > カードローン
カードローンに関しては、私も200万枠のカードはいくつも持っていましたが、それを使った時点で記録が残り、以降の銀行融資等の審査で悪影響が出るのでは?と思って一番最後にしましたが、倒産してしまった事を考えると、身内よりもカードローンが先だったかな、と思っています。
そして倒産決断のタイミングとしては「新規銀行もダメで、カードローンを使ってもダメ、そしてその後の身内・知人・友人へ相談する前のタイミングで決断すれば良かった。」というのが私の倒産体験での結論となります。
その理由については、次回のブログでお伝えします。